愛情を求めるベルちゃん
「ポーン先生、みんな私のこと好きかな? ねえ、ポーン先生、プラティープ先生はどうかなあ?」...笑顔の可愛いベルちゃん(14歳)が頻繁に口にする言葉。そして、「生き直しの学校」で一緒に暮らしている教師や友だちが自分のことを本当に愛してくれているのかを知りたいのです。
ベルちゃん(ベンチャパン・ランサードトーン)は、この1月にパトゥムターニー県少女鑑別所職員の連れられて入所してきました。
彼女は生まれて以来、両親、兄、祖父母とともに暮らしてきたものの、家族の愛情に恵まれずに育ってきました。祖母が死亡、祖父が24歳の女性と再婚した後、一家は地方へ移転し、農業雇用者として生計を立てるようになってまもなく、父親が癌で死亡しました。母親は再婚し、9歳になったばかりの彼女は精神病を持つ叔母の元に預けられました。叔母の感情が激しく、頻繁に虐待を受けるようになりました。彼女は耐えられなくなり、母親の所在を探すために家出を決心しました。やっと探し当てた母親のところでは、義父の実妻が母親を虐めている姿でした。ある日、母親と彼女は逃げるようにしてアパート住まいを始めました。
やがて、義父が同居するようになり、彼女が好まない感情を出して母親を悲しませたくないために抑制しました。そして、義父が母親と彼女を連れて地方へ向かっている時に交通事故に遭い、母親が即死し、養父と彼女が軽傷をおいました。母親の即死を目前にした彼女は、自分の人生につまづいてしまいました。「どうしたらいいの? 一人ぽっちになってしまった!」とつぶやき、目を閉じれば、母親の即死状態ばかりが脳裏をかすめるのでした。その後、彼女は祖父のところにやってきて、義祖母から虐待される日々が続きました。再び耐えられなくなり、家出をし、友だちの家での居候からボーイフレンドへと移り、麻薬を常用し始め、最終的には麻薬欲しさに売春をするようになりました。
2007年12月29日、未成年者の麻薬常用等で補導され、パトゥムターニー県少女鑑別所にて1年間過ごすことになったのです。
長年にわたりスラム地区で実施してきた当財団の活動に対して、様々な機関が真の社会福祉事業として認めるようになり、特に更生施設としての「生き直しの学校」では、少年少女鑑別所を出所した子たちを受け入れるようになり、これまでに13人が両校(チュンポーン校、カンチャナブリ校)に入所しました。
彼女がカンチャナブリ校にやって来た当初は、誰とも話さず、人を信用できず、盗みばかりしていました。彼女の盗みは、自分と親しくしてくれる子の感情を試すことが目的で、自分の盗みに対して怒らなければ自分を愛してくれているんだと思い込んでいるのです。この施設での暮らしから数日が経ち、職員は彼女を教授していく方法に苦戦し、年齢差のある子どもたちが一緒に生活することの大切さを少しずつ指導していくようにしました。幸いに、彼女は物語やダイアリーなど、記録していくことやスピーチが大好きなため、
彼女の将来に役立つ特別指導を推進していく予定です。
彼女のようなケースの子に対する更生指導は、正に時間との闘いになりますが、当財団ではどんな子にも明るい未来があるというチャンス(機会)を与えていきたいと願っています。




